もし、子どもが生まれる前からカメラがある生活を楽しめていたら、今とは違う思い出の残し方ができたのかな?
子どもが生まれる前の二人だけの時間や、子どもと過ごす何気ない日常、そしてその瞬間の気持ちも、もっと鮮明に覚えていられたんじゃないかなって思うんです。
もちろん今からでも全然遅くはないけれど、もしあの頃も写真に残せていたら、もっと思い出が色鮮やかだったんだろうなと感じています。写真はその瞬間を切り取るだけでなく、その時の感情や空気まで一緒に閉じ込めてくれるものだから。だからこそ、写真に残せなかった日々が、少しもったいない気がしてしまうのです。
振り返ってみたときに「あの時こんな気持ちだったんだな」って思えるような豊かな思い出を、たくさん写真に残していきたい。そんな気持ちで、今日もカメラを持って出かけています。
カメラとの出会い
高校2年生の時、姉妹校提携をしていたオーストラリアの高校に2週間の交換留学に参加しました。その際、大好きな富士フイルムのインスタントカメラ「写ルンです」を3台持参しましたが、見どころが多すぎて全然足りず……
帰国後すぐに、Canonのピンクのコンパクトデジタルカメラを購入。それから大学時代にかけて、週末になると大阪、京都、兵庫の街並みをスナップするのが楽しみになりました。
今では考えられないかもしれませんが、当時はスマートフォンではなく、パカパカと開閉する携帯電話にカメラ機能が搭載され始めた頃です。少しずつ携帯電話のカメラ機能が進化し、見た目と軽さで選んだCanonのコンデジよりも、携帯電話のカメラの方が画質も性能も優れるようになっていきました。
忙しすぎて、自分の”好き”を見失う日々
社会人になって仕事に忙殺される中で、Canonのコンデジを手放します。そして26歳で結婚、妊娠、27歳で出産。そこで再び「ちゃんとカメラを始めたい!」と思い、家電量販店へ向かいました。当時は一眼レフカメラが主流で、CanonとNikonが二大巨頭として君臨。実際手に持ってみると、とにかく重い……重すぎます。
その頃の私は、夫の転勤に同行し、縁もゆかりもない関東の街で、1歳の娘をワンオペ育児しながら家事をこなし、奇跡的に見つけたフルタイムパートの仕事をしていました。
平日は電動自転車にベビー布団や仕事の荷物、名前を書いたおむつの袋を積み込み、車社会を駆け抜けて。休日は「先輩に車を出すよう言われた」と夫は会社関係で出かけ、結局またワンオペ。ベビーカーに大荷物を引っ掛け、リュックを背負い、エルゴ(抱っこ紐)で娘を抱っこしながら電車に乗る毎日で、体は休まる暇がありません。
「ここに、カメラまで持ち歩くのは無理だ……私が死ぬ」そんな忙しい毎日の中で、いつの間にか「カメラが欲しい」と思っていたことすら忘れてしまっていました。
10年という歳月を経て
思い出したのは、娘が小学生になってから。出張カメラマンの方に娘との写真を撮ってもらい、そのプリント写真を眺めていたときのことです。もう娘は自分で荷物を持てる年齢になり、すべり台から落ちる心配もありません。

こちらが実際の写真です。
普段は私がスマホで娘を撮影しており、親子写真は全然なかったため、とっても嬉しかったんです。
写真立てに入れて、お部屋に飾っています。
「あれ、今が始めるチャンスでは?」と思い立ち、カメラを調べる日々が始まりました。
10年の歳月が流れ気づけば、一眼レフカメラではなくミラーレスカメラが全盛の時代に変わっていました。当初はそれでも昔から憧れた一眼レフを買おうとしていたのですが、新しいレンズも開発されていないことや市場の流れを鑑み、縁があってOLYMPUS OM-Dという小型で軽量なミラーレスカメラが私の最初の相棒に。
まずは「カメラを持ち歩く」という習慣をつけようと、最初の1年はオートモードやAモードで撮影していましたが、それが本当に楽しくて楽しくて。外に出ること、写真を撮ることが好きだったことを思い出し、どんどん出かけるようになりました。
もっと本格的にカメラを使いこなしたいと思うものの、フルタイム勤務のため対面型のカメラ講座に参加するのは中々難しい……そんな時に出会ったのが、オンラインで写真やカメラのことが学べる「ラブグラフアカデミー」でした。撮りたい写真のイメージを探し、実際に撮影し、フィードバックをもらうというサイクルが私にぴったりで、カメラ友達も増え、ますますカメラのある生活が楽しくなっていきます。
そんな中、娘には私のスマートフォンを渡していたのですが、OLYMPUSのカメラを取られることも増え、返してもらえなくなるように。気が付けば、お正月に届いた段ボールの中から、富士フイルムの新しいカメラとレンズが(新春セールで、ついポチってしまいました)
その後、SONYのカメラとレンズも増え、カメラ沼・レンズ沼にハマっています笑
今ではカメラを2台持ち、休日には娘と一緒に出かける日々が楽しいです。超インドア派の夫はついてきませんが、カメラを通じて新しい出会いも増え、充実した時間を過ごしています。
写真を残す”選択肢”は、ここ数年で大きく広がりました
ふと写真を見返したとき、その瞬間の楽しい記憶や嬉しかった感情、思わず笑った思い出がよみがえる――そんな1枚に、写真の真の価値を感じます。私にとって、写真の本当の意味は、まさにその楽しかった体験の記憶の共有にあるのではないかと思うのです。
スマホで撮る、家族が撮る、友人が撮る、自撮りする、カメラが趣味の人が撮る、おうちで撮る、スタジオで撮る、お外で撮る、撮影会で撮る、出張カメラマンが撮る……
「何が良いか悪いか」といった基準や、価格が高い・安いに左右されるものではなく、その瞬間を一緒に過ごした大切な人との思い出を、その時のあなたと大切な人に合った選択肢で、写真という忘れない形に残してもらえたら私は嬉しいです。
そして、その幸せな瞬間を写真に切り取るお手伝いが、私にできればなお嬉しく思います。
使用機材

SONY α7Ⅳ(メイン機)
SONY FE 135㎜F1.8GM
SIGMA 28-105㎜F2.8
FUJIFILM X-S10(サブ機)
フジノンレンズXF35㎜F1.4
レタッチ(色味などの補正)にはLightroom classicを使用しています
※アシスタント娘 OLYMPUS OM-D(高いおもちゃになりました)
